沖縄新民謡の系譜

名嘉睦稔(画)、西山ゆみ(デザイン)、近代美術(製作)、大城學(著)、おきなわ文庫(発行)、秋山夏樹(企画)

レーベル
おきなわ文庫
シリーズ
おきなわ文庫電子版

924円(税込)

●本書は1996年にひるぎ社より刊行された作品を、著者たちの協力のもと電子書籍として復刻したものであり、底本を元に加筆・修正している。

沖縄新民謡の系譜
「復刊に寄せて」
 拙著には沖縄民謡歌手(個人およびグループ)のみならず、作詞・作曲者を加えて五十五名を取りあげた。取りあげた方の好きな民謡の歌詞一節、民謡との関わり、プロフィール、代表作品、エピソードという順に紹介している。刊行のいきさつについては「あとがき」に記してあるので、ご覧いただきたい。
 沖縄の芸能には民謡をはじめ、琉球舞踊、組踊、沖縄芝居、琉球古典音楽等々がある。それぞれのジャンルには師匠から技芸をしっかり修得された方が多くいらっしゃる。その方がたから伝授された芸能のこと、師匠の教授法、舞台公演のこと(芸歴)、自ら弟子をとって教える立場に立って何を考えるのか、といったことがら等を聞き取り調査をしなければならないと常日頃考えている。これは芸能家の来し方を記録することでもある。ライフヒストリーであり、その蓄積は今後「沖縄芸能史年表」を作成する際には貴重な資料にもなる。
 これらのことは芸能に限らず、祭祀についても同じことがいえる。祭祀の次第(儀礼過程)は言うに及ばす、祭祀でうたわれる歌謡(儀礼歌謡。神歌)等の調査は重要である。沖縄の神歌は、島ごと、村落ごとに豊富かつ多彩に創造・伝承されて、重要な社会的、歴史的なことがらを記憶伝承する役割を果たしてきたのである。しかし、近年、人びとの生活様式の変容や、ノロやツカサと称される神女の後継者が途絶えたりしている状況を鑑みると、こちらの方の調査も緊急を要することである。
 かつて一緒に祭場である御嶽や祭祀を調査したことのある琉球大学教授であった玉城政美氏(一九四八年~二〇〇九)は、論文はいつでも書ける、後輩に任せておけばよい。今、我われがやらなければいけないことは、祭祀の調査を実施し、資料を残すことだ。神歌の基盤である祭祀そのものが衰退しつつあり、それに伴って神歌も失われつつある。調査をして記録しなければ神歌は消えてしまう、ということを力説されていた。
 玉城氏のきわめて貴重な助言もあって、芸能家の聞き取り調査も重要かつ緊急であることを再認識するようになった。ところが、いざ調査をしようとすると相手の都合や、こちらの仕事の都合で日程調整がうまくいかなかった。そのうち、予定していた方が病床に臥したり、そのうちお亡くなりになったりして調査ができず、後悔することが度々重なるようになった。
 そのような頃に、民謡歌手の聞き取り調査を手がけたのである。隔週紙面掲載というノルマが、この調査を後押ししたといっても過言ではない。拙著で取りあげた方のなかには鬼籍に入った方もいらっしゃる。つくづくお話をお伺いすることができてよかったと思う。また、拙著に取りあげなかった民謡歌手も大勢いる。また、ラジオの民謡番組担当者や民謡CDおよびDVD制作者もいる。その方がたの聞き取り調査を是非やりたいと思っているが、目途は立っていない。 
 拙著の初版は、お陰さまで早ばやと品切れとなった。編集の富川さんから再版したいとの話があり、快諾した。ところがなかなか再版したという連絡がない。しばらくして出版社のひるぎ社が店じまいをしたとの連絡が入った。残念ながら再版をあきらめるしかなかった。再版を心待ちにしていた皆さんに、お詫びの電話をした。
 このたび、電子版で拙著も取りあげてくださるとの朗報が、おきなわ文庫の秋山夏樹さんからあった。とてもありがたいことである。感謝申しあげたい。電子版で一人でも多くの方が拙著に目をとおしてくださることを願っている。

二〇一三年二月十日(旧正月)    大城 
沖縄新民謡の系譜

目次

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